目次
はじめに:どれが最強?ではなく「どれが最適か」
Excel関数、VBA、Power Automate。
どれも「業務効率化」を目的とした便利なツールですが、
「結局どれを使えばいいのか?」と悩む方は少なくありません。
本記事では、各ツールの特性と得意分野を比較しながら、
目的別の使い分けのポイントをわかりやすく解説します。
1. それぞれの特徴と強み
項目 | Excel関数 | VBA | Power Automate |
---|---|---|---|
習得難易度 | 低 | 中 | 中〜高(GUI中心) |
実行の柔軟性 | シンプル | 非常に柔軟 | 一部制限あり(クラウド連携が強み) |
処理スピード | 速い(軽い) | 中〜速 | クラウド処理でやや遅め |
他ツール連携 | △ | ◎(Outlook, IE等) | ◎(Teams, Outlook, SharePointなど) |
セキュリティ警告 | なし | あり(マクロ警告) | なし(クラウド上) |
2. 各ツールが得意な業務例
▶ Excel関数が得意なこと
- 単純な条件分岐(IF, IFERROR, SWITCH)
- 数値や文字列の加工(LEFT, MID, TEXT)
- 集計(SUMIFS, COUNTIF, UNIQUE)
- ユーザーが直接確認できる“見える処理”
🔰 使うべき場面
「少し手間だけど、毎月集計が必要」といった軽量な業務に最適。
▶ VBAが得意なこと
- 複数ファイルの一括処理(CSV読込、フォルダ処理)
- 条件付きセル操作(色変更、ロック、印刷)
- フォーム作成・入力チェックなどのUI強化
- イベント駆動型処理(保存時に自動処理など)
🔧 使うべき場面
人手でやると地味に時間がかかる定型作業。月1回以上やるなら自動化を検討。
▶ Power Automateが得意なこと
- メール添付ファイルの自動保存
- OneDriveやSharePoint連携
- Microsoft Teamsへの通知
- Excel Online処理(クラウドExcelの操作)
☁ 使うべき場面
手作業が**“ファイル外”にまたがるとき**(例:メール〜Excel〜通知)や、
他メンバーとの共有処理が必要なときに有効。
3. 実務でよくある場面別の選定フロー
シーン | おすすめ手段 | 理由 |
---|---|---|
毎月の報告資料の集計 | 関数 + VBA | 入力は関数、繰り返し処理にVBA活用 |
アンケート回答の一括取り込み | VBA | 各ファイルから特定のセルを抽出 |
フォームからの申請を一覧化 | Power Automate | Microsoft Forms〜Excel自動連携 |
上司への提出タイミングで印刷 | VBA | 保存時イベント+印刷処理 |
社内通知やTeams連携 | Power Automate | クラウド通知の自動化が得意 |
4. それぞれの組み合わせ活用が現場の最適解
現実の業務は「関数だけ」「マクロだけ」で片付くことは少なく、
“関数+VBA”や“VBA+Power Automate”の組み合わせが非常に有効です。
例1:申請フォームの自動印刷
Power Automate → 新規データをExcelに追加
VBA → 保存時に該当行だけ自動印刷
例2:定型レポート出力
関数で集計 → VBAで印刷・保存・メール送付
5. まとめ:どれも正解。大切なのは「選び方」
比較項目 | Excel関数 | VBA | Power Automate |
---|---|---|---|
手軽さ | ◎ | ○ | △ |
拡張性 | △ | ◎ | ◎ |
操作の見やすさ | ◎ | △ | ◎ |
他人に渡すファイル | ◎ | △(マクロ警告) | ◎ |
最終的な判断基準:
- 🔸 簡単に済む → 関数
- 🔸 複数ステップ → VBA
- 🔸 クラウド連携 or チーム利用 → Power Automate
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補足:一人で判断が難しいときは
「この業務はVBA?Power Automate?」「どこまで自動化すればいい?」
といった判断が迷いやすいときは、スクールやサポート型教材の活用もおすすめです。
- 実務に近い内容で学べる
- トリガーや関数の選び方も含めて学べる
- チーム内での提案に使える資料も作れる
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