
「マクロって、もう古くない?Power Automateの方が今っぽいし、ノーコードだし…」
社内で効率化に前向きな彼女は、最近よく聞く**「脱・VBA」**という流れに乗ろうとしていました。Power Automate や SharePoint など、Microsoftの新しい自動化ツールを使えば、VBAに頼らなくても十分効率化できる──そう思っていたのです。
でも、いざ現場で使おうとすると、
- 「ネットワークドライブで止まる…?」
- 「誰も設定方法わからない…」
- 「そもそもPower Automate、何ができるの?」
といった声が次々に上がってきました。
そしてA子さんは、ふと思うのです。



「…やっぱり、マクロの方がよかったりして?」
結論:「マクロは不要」ではなく「正しく使えば今も最適解」
「今さらマクロ?」と思ったあなたへ
「いまどき、マクロなんて使ってるの?」
この言葉、何度も聞いてきました。特にここ数年、Power Automate や Power Apps、さらには Python や AIツール の普及によって、Excel VBAの存在感は以前よりも確実に薄れています。SNSや技術系ブログでも「マクロはオワコン」や「もう不要」といった投稿を見かけることが増えました。
たしかに、技術的なトレンドで言えばVBAはレガシー寄り。Microsoftも「これからはPower Platformで自動化を」と謳っており、実際その方向性に舵を切る企業も多くあります。
では、本当にExcelマクロは不要になったのでしょうか?
「マクロが古い」=「使う価値がない」ではない
そもそも「古い技術=不要」と言い切れるでしょうか?
例えるならば、紙の書類がデジタル文書に置き換わってきたとはいえ、完全に紙がなくなった会社はそう多くありません。むしろ、「紙のほうが早い」「その場でサインできる」「慣れているから」といった理由で、業務効率のためにあえて使い続けているケースもあります。
VBAもこれと似ています。
マクロは「慣れている」「すぐ動く」「とにかく簡単」という点で、今なお多くの現場で重宝されています。特に以下のような業務では、マクロの手軽さが際立ちます。
- 複数のExcelファイルの集計
- 書式や名前が毎回同じ帳票への繰り返し入力
- 月次・週次の報告書や帳票の更新
- フォルダ内ファイルの一括処理
これらは「その場で」「Excel内だけで」完結したいニーズが強く、他ツールに置き換えるより圧倒的に導入ハードルが低いのです。
Power Automate では“代替できないこと”も多い
Power Automate(特にデスクトップ版)は、マウス操作の自動化やブラウザ操作に優れており、「ノーコードでの業務自動化」に力を発揮します。しかし、すべてが万能ではありません。
Power Automateの弱点として、以下が挙げられます。
- 実行に時間がかかる(処理速度が遅い)
- アクション数が多く、逆に分かりづらい
- 複雑な分岐処理や計算が面倒
- ライセンスの制約(無料でできる範囲に限りがある)
一方、マクロ(VBA)はあらかじめ用意されたExcel機能と自然に連携できるため、「ファイルを開く→必要なセルを加工→保存→閉じる」という一連の処理が非常に高速です。
要するに、「Power Automateのほうが新しい=優れている」とは限らず、業務の性質によって向き不向きがあるということです。
「誰でも使える」は本当か? 現場とのギャップ
もう一つ忘れてはならない視点があります。
「ノーコード自動化」は、確かに便利です。けれど、それを本当に現場が使いこなせているかと言えば、話は別です。
- 「Power Automate Desktopって、どうやって開くの?」
- 「SharePointって使ったことないです」
- 「Excelファイルの場所がローカルPCなんですが…」
このような声、実際に現場で何度も聞きました。
いくら新しい技術があっても、「わかる人」しか触れないものになってしまえば、業務改善のスピードは止まってしまいます。
マクロ(VBA)は、その点で**「現場で育った技術」**です。Excelしか触ってこなかった人でも、多少の勉強で書けるようになり、自分たちで回せる。自走力のある業務改善が可能になるのです。
Power Automate では“代替できないこと”も多い
Power Automate(特にデスクトップ版)は、マウス操作の自動化やブラウザ操作に優れており、「ノーコードでの業務自動化」に力を発揮します。しかし、すべてが万能ではありません。
Power Automateの弱点として、以下が挙げられます。
- 実行に時間がかかる(処理速度が遅い)
- アクション数が多く、逆に分かりづらい
- 複雑な分岐処理や計算が面倒
- ライセンスの制約(無料でできる範囲に限りがある)
一方、マクロ(VBA)はあらかじめ用意されたExcel機能と自然に連携できるため、「ファイルを開く→必要なセルを加工→保存→閉じる」という一連の処理が非常に高速です。
要するに、「Power Automateのほうが新しい=優れている」とは限らず、業務の性質によって向き不向きがあるということです。
「誰でも使える」は本当か? 現場とのギャップ
もう一つ忘れてはならない視点があります。
「ノーコード自動化」は、確かに便利です。けれど、それを本当に現場が使いこなせているかと言えば、話は別です。
- 「Power Automate Desktopって、どうやって開くの?」
- 「SharePointって使ったことないです」
- 「Excelファイルの場所がローカルPCなんですが…」
このような声、実際に現場で何度も聞きました。
いくら新しい技術があっても、「わかる人」しか触れないものになってしまえば、業務改善のスピードは止まってしまいます。
マクロ(VBA)は、その点で**「現場で育った技術」**です。Excelしか触ってこなかった人でも、多少の勉強で書けるようになり、自分たちで回せる。自走力のある業務改善が可能になるのです。
結論:「マクロは不要」ではなく「正しく使えば今も最適解」
確かに、VBAはレガシーであり、将来的な移行も視野に入れるべき技術です。
しかし、それは「今すぐ捨てるべき」ではありません。
むしろ、現場が抱える課題を素早く、安価に、確実に解決する手段として、今もマクロは現役です。何より、「Excelが使える人材」が多いという前提においては、習得コストが最も低い業務自動化手段であることに変わりはありません。
業務効率化を考えるとき、最初に「Excelマクロでできないか?」と発想することは、決して恥ずべきことではありません。それどころか、合理的で堅実な判断だと、私は思います。
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