この記事で解決できる3つの疑問

変数に型って指定しないとダメなの?
型を省略したらどうなるの?
初心者でも分かるように教えてほしい!
結論:型を省略するとエラーや処理速度低下の原因になります
私はVBAを初めて使った頃、「型を指定しない=楽」だと思っていました。しかし、それが思わぬ不具合やエラーの温床になると気づいたのは、仕事で大量のデータを扱うようになってからです。特に「Variant型」の落とし穴は、初心者にとって見えづらい罠です。
変数に型を指定しないと何が起こる?
以下のようなコードを書いたとき、型が指定されていないとどうなるでしょうか?
Sub 型指定なし() Dim 点数 点数 = 80 End Sub
一見、普通に動くように見えます。しかしVBAは自動的にこの変数を Variant型 として処理します。
型が省略されたときの扱いは「Variant」
Variant型は、あらゆる型の値を一時的に格納できる便利な箱です。ただし、その「便利さ」は裏を返せば「不安定さ」にも繋がります。
Sub 変数宣言のみ() Dim テスト テスト = "80" テスト = テスト + 20 End Sub
このコード、文字列+数値という謎の加算をしていますが、Variant型は自動的に型を判断しようとします。その結果、エラーにならずに動くこともあれば、思わぬ不具合になることもあります。
Variant型のデメリットとは?
処理速度が遅くなる(毎回「これって何型?」と判断が入るため)
デバッグが難しくなる(意図と異なる型に自動変換される恐れあり)
Excel VBAでは厳密な型指定が求められる処理も存在
つまり、「後からメンテナンスがしにくくなる」のです。
型の指定がもたらすメリット
処理速度の向上
意図しない型変換によるバグを防止
他人にも読みやすく、保守しやすいコードに
例:
Sub 点数判定() Dim 点数 As Integer 点数 = 80 End Sub
明示されていることで、意図がはっきりし、トラブルの予防になります。
初心者におすすめの型一覧
型名 | 説明 | 使用例 |
---|---|---|
Integer | 整数 | 点数、回数など |
String | 文字列 | 名前、コメントなど |
Boolean | 真偽(True/False) | 判定フラグなど |
Double | 小数 | 金額、割合など |
実践例:型を省略した場合と指定した場合の違い
型を省略した例:
Sub 型省略() Dim 合計 合計 = "100" 合計 = 合計 + 50 ' ← 150になるが、内部的に型変換が走る End Sub
型を指定した例:
Sub 型指定() Dim 合計 As Integer 合計 = 100 合計 = 合計 + 50 ' ← 型変換不要、安定した処理 End Sub
まとめ:迷ったら「Integer」や「String」から始めよう!
初心者のうちは、型の指定が面倒に思えるかもしれません。
しかし、今後「実務で使えるVBA」を目指すなら、最初から明示的な型指定を習慣化するのが吉です。特にVariantの多用は、将来の自分を苦しめることになります。
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