PowerAppsは、Microsoftが提供するノーコード/ローコード開発プラットフォームです。Excel感覚でアプリを作れる手軽さから、多くの企業や個人が業務効率化に活用しています。
しかし、初心者の方からよく質問を受けるのが次の内容です。

「PowerAppsでアプリを作るには、SharePointのリストが必須なんですか?」
結論から言うと、SharePointリストは必須ではありません。
ただし、多くの現場で「事実上の標準データソース」として使われているのも事実です。
1. PowerAppsのデータソースとは?
PowerAppsは、アプリで扱うデータを「データソース」として接続します。
データソースには以下のような種類があります。
- SharePointリスト
- Excelファイル(OneDriveやSharePointに保存)
- Dataverse(旧CDS)
- SQL Server
- Teams内のDataverse for Teams
- その他のコネクタ(Planner、Outlook、Google系など)
このように、PowerAppsは様々なデータと連携できます。SharePointリストはその中のひとつにすぎません。
2. なぜSharePointリストがよく使われるのか?
必須ではないにもかかわらず、SharePointリストが多用されるのには理由があります。
(1) 標準ライセンスで利用できる
Microsoft 365の多くのプランにSharePoint Onlineが含まれており、追加費用なしで利用できます。
(2) 複数ユーザーでの同時編集が容易
SharePointリストはクラウド上で動作するため、同時アクセスやリアルタイム更新に強いです。
(3) 権限管理が柔軟
アイテム単位、リスト単位でアクセス権を設定できるため、社内利用に向いています。
(4) PowerAppsとの親和性が高い
フォームの自動生成やギャラリーとの連携がスムーズで、実装工数を大幅に削減できます。
3. SharePointリストを使わない場合
もしSharePointリストを使わない場合は、以下のような選択肢があります。
- ExcelをOneDriveに置いて使う(簡単だが同時編集やデータ量に制限あり)
- Dataverseを使う(本格的だが有料プランが必要な場合あり)
- SQL Serverに接続(既存システムと連携しやすいが構築難易度は高め)
4. まとめ
- SharePointリストは必須ではない
- ただし、Microsoft 365環境であれば「コスト」「管理性」「親和性」の面で非常に有利
- 小規模・試作ならExcel、将来拡張を見込むならDataverseやSQL Serverも選択肢
PowerAppsをこれから始める方は、まずSharePointリストを使って基本的なアプリを作ることをおすすめします。その上で、必要に応じて他のデータソースにもチャレンジすると、開発の幅が広がります。